英語で通じる「ikigai(生きがい)」

日本はこれから急激な労働生産人口の急激な減少が予想されていますが、それに合わせて政府は本格的にシニアの働く場の整備や就業機会の確保を進めています。

2021年4月からは、高齢者が活躍できる環境の整備を目的として、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)」の一部が改正され、70歳までの就業機会の確保が努力義務になりました。

介護業界に限らず、後継者不足や高齢化が進んでいます。

介護業界に限ってみると、訪問ヘルパーの平均年齢は65歳超え。
4人に1人は60歳以上と言われています。

ケアマネジャーの場合は、平均年齢が50歳超えという状況です。

65歳までは働こうと頑張ってきた世代には厳しい状況と言わざるを得ません。
個人的には、年齢に関係なく、元気なうちは働いたいと思っていますが。。。。

逆輸入される「ikigai」

そんな中、「ikigai(生きがい)」という日本語が「仕事と人生の質を向上させるための日本の概念」として数年前から世界に広まっています。

日本で暮らした外国人著者の「ikigai」という本がベストセラーになり、BBCなど海外メディアで特集され、世界規模に広がりました。

上記の図は、「ikigai」という概念を「必要とされる」「得意」「好き」「稼げる」の4つの構成要素で表したものです。

円が重なった部分に相乗効果が生まれ、4つの要素全体の集合部分が「ikigai」になります。
様々なロスを感じやすい人生後半において、元気や活力を見出す源となるものです。
本日はこの図を元に、人生100年時代を豊かに楽しく生きていくために何が必要か、ビジネスパーソンにとっての「ikigai」をお伝えします!
1.必要とされる
~「〇〇さんなら分かるはずだ、聞いてみよう」と言われるベテランを目指す
ビジネスパーソンにとって「必要とされる」とは、「話を聞きに来る部下や後進がいる」ということです。
業界をよく知っている・横のつながりがある・豊富な事例や経験談を知っているこんなベテランの意見を、部下や後進は聞きたいものです。
必要とされるためにできること例
◆後進の成長を考え、メンターとして活動する
◆リーダーを支援するフォロワーシップを発揮する
◆視野の広いコミュニケーションで組織の潤滑油となる
✿「ikigai」を持って働くベテラン
「相手の立場に立って、”相手のために何ができるか”を考え続ける先輩になりたい」
「教えるというより、何度でも穏やかに伝えたい」
「かつての部下に対しても、ひとりの人間として、謙虚にお互いの会話を楽しみたい」
●「ikigai」を持てずに働くベテラン
「以前の部下が上司になった。新人の頃は私がよく面倒をみてやったのに……」
「意見だけは聞かれるが、何かを決める会議に呼ばれない。どういうことだ」
ベテラン世代には、様々な課題を解決してきた経験者として、迷ったり悩んだりする若手社員を導く役割が求められます。
かつて管理職だったとしても、1プレーヤーとして意識を切り替えるようにしましょう。
現管理職の良き参謀として協働することがベテランには期待されています。
2.得意
~「〇〇さんにはかなわない、さすがだ」と言われるベテランを目指す
ビジネスパーソンにとって「得意」とは、「知識・経験など自身が培ってきたものを活かす」ということです。
得意なことの活かし方例
◆他部署や社内外の人脈を活かした調整ができる
◆経験則を活かした仮説をうちたて、企画書を作成することができる
◆業務に精通し、多目的に検討できるベテラン世代ならではの視点を活かし、データを分析することができる
✿「ikigai」を持って働くベテラン
「自分が培ってきたものをいかに後進に引継いでいくかが頑張りどころだ」
「自分が中心になって活躍するだけでなく、名脇役になっていきたい」
「独自の発想や他と違う視点を持ち、規制に縛られず、常に何が大事かを考えたい」
●「ikigai」を持てずに働くベテラン
「私たちの時代は自ら学んだもんだ。若いやつはガッツがない」
「自分には教えられることなんて何もないから……」
専門分野での知識・経験(ナレッジ)を継承していくことは、ベテラン世代に課せられた「使命」でもあります。
しかし、得意なことに固執しすぎると、新しい技術が入ってくることに適応できず自らの居場所を狭めることになります。
例えば、専門職として上位に立っていた方は、仕事が属人化しがちなので注意が必要です。
また、「得意なことが何もない」「専門性がない」と謙遜し自信を持てないでいると、働きがいを感じにくくなります。自分に期待されていることは何か、より活躍できる場所はどこか、強みを自ら見つけていくことも必要です。
3.好き
~「〇〇さんは常に観察や発見をして、見習いたい」と言われるベテランを目指す
ビジネスパーソンにとって「好き」とは、「好奇心をもって働き続ける」ということです。
新しい環境におかれても「好き」な分野を学びなおすことは喜びであり、常に好奇心を失わないことはモチベーションを高めます。「好き」を深め続け、社内外の情報に追いついていく姿は人に信頼され、新しい仕事を任されることにもつながります。
好奇心を失わないためにできること例
◆新しい技術をキャッチアップして常に学びなおす
◆新しい「何か」を探し、周囲にも積極的に情報を共有する
◆「好き」を掘り下げ深める
✿「ikigai」を持って働くベテラン
「面白いことを見つけて笑うようにしている」
「面白いと思って、無知を恥じずに勉強することを課している」
●「ikigai」を持てずに働くベテラン
「新たな技術や業務の革新についていけるか不安」
「部下は持ったことがないから後進指導なんてできない」
好奇心を失うと成長を止めてしまい、チームの足並みを乱します。
自分が「楽しい」と思える業務と組織への貢献が兼ね合う働き方を模索しましょう。
楽しめる仕事を意識的に創っていくことが大切です。
4.稼げる
~「〇〇さんにお願いしたなら安心だ」と言われるベテランを目指す
組織において「稼げる」とは、「組織の業績に貢献できる自分である」ということです。
チームのためにできること例
◆コストを考え業務を改善する
◆自身の業務に対して期待される成果が出せるよう自分を律する
◆相互補完をし合える若手メンバーと組んで仕事をし、生産性を向上させる
✿「ikigai」を持って働くベテラン
「お客さまを喜ばせ、社会に役立つ活動を続けたい」
「経験値を新たな業務などにも活かし、品質とそれを生み出す組織にプライドを持ちたい」
●「ikigai」を持てずに働くベテラン
「上司からの指示により長年これでやってきたから……」
「昔(好景気の頃)は良かった……」
今までのやり方や良かった時代に固執して、組織の成果向上を阻むことは、チームのモチベーションも下げ、悪影響をおよぼします。
ベテランになると任されることも多く、上司の細やかな育成や管理が減るケースも見受けられるものです。
そのため、結果や成果が組織の期待に見合うよう、仕事の品質や進捗に関して責任を持つことが求められます。ストレスやモチベーションに関しても自分で自分を律することが「稼げる(組織に貢献できる)」につながります。

<引用終わり 出典/https://www.insource.co.jp/contents/column_ikigai.html>

あとがき

確かに、今のままでは様々な社会保障制度は破綻はしなくても、変更を余儀なくされることは間違いないでしょう。

少しでも労働生産人口が維持、または増えれば、その分、税収は増えるでしょうし、医療費も抑制されるでしょう。

厚生労働省の資料によると、令和元年における平均寿命と健康寿命の差は、男性で8.73年、女性で12.06年と算出されています。

いずれにしても、認知症や寝たきりにならずにピンピンコロリ、健康で長生きしたいものです。

(ウェブマスター Y)

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