「最近、同じことを何度も聞いてくる」
「財布や鍵の置き場所がわからなくなった」
――そんな変化を感じたとき、多くのご家族は「もしかして認知症?」と不安になります。
認知症は誰にでも起こり得る身近な症状であり、早期に気づくことで進行を遅らせ、本人も家族も安心して生活を続けることが可能です。
本記事では、富山の複合型介護事業所での現場経験をもとに、ご家族が気づきやすい認知症の初期サインとチェックリストをご紹介します。

なぜ初期サインに気づくことが大切なのか
- 早期対応で進行を遅らせられる:薬やリハビリによって、症状の進行を緩やかにすることができます。
- 生活環境を整えやすい:本人がまだ判断できる段階で、住環境やお金の管理を一緒に工夫できます。
- ご本人の不安を軽減できる:「自分の変化」を一番最初に気づいているのは本人です。家族が理解して寄り添うことが安心につながります。
認知症の初期サイン ― チェックリスト
以下は現場でもよく見られる変化の一例です。
記憶に関するサイン
- 同じ質問や会話を何度も繰り返す
- 直前の出来事(食事内容や来客)を思い出せない
- 約束や予定を忘れてしまう
行動に関するサイン
- 財布や鍵など、身近な物をよく失くす
- 料理の手順が分からなくなる
- 買い物に行ったのに目的の品を買い忘れる
判断力に関するサイン
- 電気やガスをつけっぱなしにする
- お金の管理ができなくなる(同じ物を大量購入、振込詐欺に引っかかりかける)
- 服装が季節や場面に合わなくなる
感情・性格の変化
- これまでの趣味に興味を示さなくなる
- 怒りっぽくなったり、反対に無気力になる
- 家族や近所付き合いを避けるようになる

富山での実例:ご家族の気づき
事例①:鍵を忘れる回数が増えた
上市町にお住まいの80代女性。家の鍵を何度も紛失し、ご家族が不安に。受診した結果、軽度認知障害(MCI)と診断され、早期にデイサービスでの生活リハビリを開始。大事に至る前に対応できました。
事例②:料理の味付けが変わった
富山市内で一人暮らしをしていた70代男性。長年料理上手だったのに、味付けが極端に薄くなったり濃くなったり。ご家族が異変に気づき、医療機関を受診。軽度の認知症が判明しました。
ご家庭でできる初期対応
- 記録をつける:「同じ質問をした日」「物を失くした回数」などをメモしておくと、医師に相談するときに役立ちます。
- 安全対策を始める:
- 鍵を一つにまとめる
- ガスコンロに安全装置を設置
- 外出時に連絡できるよう携帯電話や見守りタグを持たせる
- 本人のプライドを尊重する:「どうしてできないの?」ではなく、「一緒にやろうね」と声をかけることが大切です。

医療機関・介護サービスとの連携
医療機関
- まずはかかりつけ医に相談
- 必要に応じて神経内科や物忘れ外来を紹介してもらう
介護サービス
- デイサービスでのリハビリや交流
- ケアマネジャーによる生活相談
- 必要に応じて介護保険サービスを早めに申請
実例:富山市のあるご家庭では、要支援認定を受けてデイサービスを利用。体操や脳トレを続けることで「家に閉じこもりがち」だった生活に張りが戻ったといいます。
ご家族の心構え
認知症は「家族の問題」ではなく「地域全体で支える課題」です。富山でも認知症カフェや地域包括支援センターがあり、家族だけで抱え込まない仕組みがあります。「もしかして…?」と思った時点で、相談できる場所があることを知っておくだけで安心です。
まとめ
認知症の初期サインは、日常のちょっとした変化に隠れています。
- 記憶・行動・判断・感情の変化を観察する
- 記録を残して医療機関に相談する
- ご本人の気持ちに寄り添いながら、家族も地域の支援を受ける
早期に気づき、行動することで、本人も家族も安心して暮らせる時間を長く保つことができます。
「これって大丈夫かな?」と感じたときが、相談のタイミングです。
認知症や介護について「ちょっと不安だな」と思われたら、ぜひ一度ご相談ください。
当社(とやまヒューマンサービス)では、介護や認知症に関するお困りごとを無料でご相談いただけます。お気軽にお問い合わせください。
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