令和5年1月7日の北日本新聞に富山県が進めている『「7食の花」で幸せ測定(県のウェルビーイング 指標公表)』というタイトルの記事が掲載されました。
仕事柄、ウェルビーイングについては少しずつ勉強してはいますが、説明できるかと言われると?マークがつきます。
今回は、長引くコロナ禍によって議論が深まっているウェルビーイングについて簡単におさらいしてみたいと思います。
ウエルビーイング(英: Well-being)って何ですか?
そもそも、ウエルビーイングってどんな意味や目的を持っているのでしょうか。
ウィキエディアによると
ウェルビーイング(英: Well-being)とは、誰かにとって本質的に価値のある状態、つまり、ある人にとってのウェルビーイングとは、その人にとって究極的に善い状態、その人の自己利益にかなうものを実現した状態である。
ますます?マークがつきます。
「well-being(ウェルビーイング)」とは、直訳すると「幸福」「健康」という意味があります。ウェルビーイングの定義においてよく引用されるのが、世界保健機関(WHO)憲章の前文の一節です。
“Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会仮訳)“つまりウェルビーイングとは、幸福で肉体的、精神的、社会的すべてにおいて満たされた状態をいいます。
だから何ですか?という感じですが、昨年(2022年8月)に発行された「県広報とやま」によれば、
“十人十色”の「幸せ」の実感「ウェルビーイング」!
県では、ウェルビーイングを成長戦略の“中心”に位置づけています。一人ひとりが、様々な人や社会との“つながり”の中で、日々、“自分らしく”生きていることに満足でき、心豊かに、幸せをずっと実感できる。そんな富山県を目指します。
出典:県広報とやま8月号(別ウィンドウで開きます)
https://www.pref.toyama.jp/documents/28040/koho8gatu.pdf
とのこと。
言葉はわかりますが、余計にモヤッとしてきました。
ウェルビーイングをもっとっ解り易く説明できないの?
では、ウェルビーイングを会社の経営的な視点でみるとどうなのでしょうか。
ウェルビーイングの第一人者である慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授の前野隆司(まえの たかし)氏によると、
幸福経営とは、経営者と社員、ひいては関係者の幸せを追求し、実践する経営のことです。この場合の幸福・幸せとは「ハピネス」(happiness)ではなくて「ウェルビーイング」(well-being)と捉えてください。ハピネスは短期的な心の状態を表し、ウェルビーイングは身体的・精神的・社会的に良い状態を表します。
幸せに関する学術研究は1980年代から盛んに行われるようになりました。私はもともと、カメラのモーターやロボットを作るエンジニアだったのですが、大学に移ってロボットと心の関係について研究を始めてから、幸せを体系的に研究するようになりました。
その中でたどり着いたのが、以下に挙げた「幸せの4つの因子」を高めることで幸福感が得られるという理論です。この理論を経営に応用したものが幸福(ウェルビーイング)経営です。
幸せの4つの因子
①「やってみよう」因子(自己実現と成長)
②「ありがとう」因子(つながりと感謝)
③「なんとかなる」因子(前向きと楽観)
④「ありのまま」因子(独立とマイペース)そして、ウェルビーイングの柱は
〇幸せ
〇健康
〇福祉
であると。そして、
〇利他性
〇感謝
〇自己肯定感
〇やりがい
〇楽観性
〇視野の広さ
〇つながりの質
〇友人の多様性
がウェルビーイングに影響を与えるとのこと。
少しだけ、解ったような気がします。
ウェルビーイングを指標にするとは?
指標というと、よく耳にする「世界幸福度ランキング」が真っ先に浮かびますが、2022年3月に発表された日本の順位は54位でした。
ちなみに「世界幸福度ランキング」とは、
「幸福度」という目には見えないものを数値化して、順位付けしている点にある。各国の幸福度は、主に「主観的な幸福度」によって決定される。キャントリルラダー(Cantril ladder)と呼ばれる手法を用いて、自身の幸福度が0~10までの11段階中、どこに当てはまるのかを明らかに。その上で、以下の6つの項目を加味して判断される。
・1人当たり国内総生産(GDP)
・社会的支援の充実(社会保障制度など)
・健康寿命
・人生の選択における自由度
・他者への寛容さ(寄付活動など)
・国への信頼度
ウェルビーイングを数値として測るには、様々な手法があるようですが、富山県がアンケートなどをもとに算出する指標に期待したいと思います。
数値化する指標の全体像は、県が示す植物の「茎」や「花びら」、「土」を模した参考図が土台になるようです。
あとがき
一言で言ってしまうと、ウェルビーイングという単語自体が英語なので頭に入ってこないのかもしれないですが、解ったようで、解らない、というのが正直なところです。(私だけなのかもしれませんが)
富山県が指標を公表すると言っていますが、そもそも、健康度や生きがいを数値化できるものなのか?と、私のような天邪鬼はつい思てしまいます。
以前、当ブログで日本語が英語になった「IKIGAI(英語で通じる「ikigai(生きがい)」 | とやまヒューマンサービス (kaigosoudan.co.jp))」をご紹介しました。
これは、漠然とはしていますが何となく解るし、説明できるという範囲では殆どの日本人には通じるかと思います。
今回ご紹介したウェルビーイングの要素に「やいがい」や「利他性」という言葉も見受けられました。
しばらく前に「健康経営」という言葉を良く耳にしましたが、ウェルビ-イングは更に広い概念で捉えられるのだと思います。
多分、ですが弊社会長の石橋が常日頃から言われるところの「利他の心」や、石田社長が言われるところの「お役立ちと成長」にも自然と繋がって行くのだとも想像できます。
ある意味、楽しみでもありますよね。
(ウェブマスター Y)
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